年金事務所の社会保険の調査って何ですか?

あくまでも一般的な回答であるため、すべての企業に適用できるものではありません。また、わかりやすく表現するためと、法改正により内容が古くなり、すべて正確に表現できていない場合もあります。当事務所では掲載内容の責任は負いません。判断や行動をする前に、専門家の方やそれぞれの行政機関・事務所にご相談やご確認などしてください。

年金事務所から調査の日程、場所、用意する書類が会社に書面で通知され、調査が行われます。最近は3年に1回程度定期的に行われているようです。年金事務所が、会社に対して社会保険料を適切に納めているのかを確認する調査です。正しい処理をしていれば何ら困ることはありませんので、普段から正確な手続きを行うことが大切です。

用意する書類は、下記のようなものです。

  1. 労働者名簿、雇用契約書
  2. 源泉所得税納付書、個人別の所得税源泉徴収簿
  3. 賃金台帳、給与明細書、給与振込依頼書
  4. 出勤簿、タイムカード
  5. 被保険者資格取得届などの決定通知書
  6. 就業規則 など

調査での主な確認事項は、下記のようなものです。

  • パートや高齢者の社会保険の加入漏れはないか
  • 給与の金額と標準報酬の等級に整合性がとれているのか
  • 入社日と社会保険の資格取得日があっているのか
  • 源泉所得税の納付書と賃金台帳の金額や人数に整合性がとれているのか
  • 賞与の支払いに時に、届出をきちんとしているのか など

正しく加入をしているか、正しい標準報酬となっているのかがチェックされます。特にパートタイマーは、タイムカードで出勤の状況を確認し、社会保険の加入基準を満たしてれば正しく加入手続きをしているかどうかが問題となります。

社会保険の未加入が発覚した場合のリスク

本来社会保険に加入すべき人が未加入者であることが発覚した場合、法律での時効となる2年間の保険料負担が発生することがあります。保険料は、従業員と会社が折半しますが、会社の不手際で手続きをしていなかった場合、従業員の負担分を払ってもらうように納得させるのは簡単ではないと思います。

さらに、年金をもらっている人で、本来加入すべき人が未加入であることが発覚した場合、後から年金を返還する必要が出てくる可能性があります。今さら誰が払うのか、責任をとるのかといった問題が発生し労働トラブルにつながります。

結局、社会保険に加入させたくないのであれば、社会保険の加入基準未満に抑えて正しい手続きをすることしか解決方法はありません。

(参考)
・適用事業場と被保険者(日本年金機構ホームページ)
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyosho-hiho/jigyosho/20150518.html

社会保険調査で未加入者が発覚し、2年間遡及となった場合の保険料負担例

【試算条件】

  1. 協会健保 静岡支部の平成30年4月分(5月納付分)からの保険料率
  2. 年齢40歳未満(介護保険に該当しない場合)
  月額
月給 300,000円
健康保険料(折半額) 14,655円
厚生年金保険料(折半額) 27,450円
保険料計 42,105円

2年間遡及保険料:42,105×12カ月×2年間=1,010,520円(従業員負担額)
会社負担+従業員負担額合計:1,010,520円×2(会社負担+従業員負担)=2,021,040円(会社支払額)

※保険料は会社負担と社員負担を合算して請求されます。支払いは会社が、会社負担分+従業員負担分を合わせて支払います。従業員に折半額の負担分を説明し、納得してまとめて支払ってもらうのは、会社が正しい手続きをしていなかったために難しいこととなります。

1人の未加入者がいた場合だけでもかなりの負担になります。仮に未加入者が複数人いれば、従業員にも会社にも大きな経済的負担となり、会社の存続にもつながります。

未加入の会社も多いと思いますが、従業員が増える前に自主的な加入をお考えになってはどうでしょうか?