持ち帰り残業が原因で自殺、解決金4,300万円の支払いで調停成立

報道各社で取り上げられていますが、大手英会話教室の当時20代の女性講師が自殺し、遺族が運営会社に約9,100万円の損害賠償を求めた訴訟について、今月20日、大阪地裁で調停が成立したということです。

調停の内容は、会社側が過労自殺を認めて解決金4,300万円を支払うほか、再発防止策も約束するというものです。

女性講師は2011年春に入社し、地方のスクールに勤務していましたが、退社後も自宅で長時間にわたってレッスンの準備などに追われた結果、精神的に追い詰められ、同年6月、自宅マンションから飛び降り、亡くなったということで、労災認定もされていました。

この事案では、パワハラが行われていたという訴えもあったとされており、相当に思わしくないケースだったかとも考えられますが、業務による過労自殺については、とにかく厳罰化の傾向にあります。従業員を守ることはもちろん、会社を守るためにも、この訴訟で問題となった「持ち帰り残業」のような働き方にも注意が必要です。

〔参考〕下記のような厚生労働省の通達もあります。
「使用者の具体的に指示した仕事が、客観的にみて正規の勤務時間内に処理できないと認められる場合の如く、超過勤務の黙示の指示によって法定労働時間を超えて勤務した場合には、時間外労働となる。」(昭和25年9月14日基収2983号)。

上記通達より、上司等が、持ち帰り残業を知っていて黙認していたり、業務量から見て「持ち帰り残業」をせざるを得ない状況にありながら会社が何も対応せず黙認しているといったことがあれば、「持ち帰り残業」も、実態によっては、時間外労働(労働時間)として取り扱われる可能性もあるということになります。