【厚労省発表】令和6年度の労働トラブル動向:「いじめ・嫌がらせ」が依然最多、「労働条件の引き下げ」に関する相談が増加

先日、厚生労働省が令和6年度の「個別労働紛争解決制度」の利用状況を発表しました。(公表日:令和7年6月25日)

「個別労働紛争解決制度」は、労働者と会社の間のトラブルを円滑に解決するための仕組みです。具体的には、専門家への「総合労働相談」、労働局からの「助言・指導」、第三者が間に入る「あっせん」という3つのサポートが用意されています。

今回の発表から見えてきた、主なポイントは以下の通りです。

1. 労働相談件数は、依然として高い水準:全体の相談件数は約120万件と、5年連続で高水準を維持しています。特に、労働局による「助言・指導」や、中立な第三者が介入する「あっせん」を求めるケースは、前年度よりも増加しました。

2. 相談内容のトップは、13年連続で「いじめ・嫌がらせ」: 個別のトラブル相談の中で最も多かったのは「いじめ・嫌がらせ」で、13年連続で最多となりました。件数は約5.5万件にのぼり、依然として大きな問題であることがうかがえます。

3. 「労働条件の引き下げ」に関する相談が増加: 給与や労働時間といった「労働条件の引き下げ」に関する相談が、すべての段階(相談、助言・指導、あっせん)で前年度より増加しており、新たな懸念点として浮かび上がっています。

4. あっせん申請の最多理由は「解雇」 当事者間での解決が難しい場合に利用される「あっせん」において、申請理由のトップは「解雇」でした。

まとめ 今回の結果から、職場における「いじめ・嫌がらせ」対策の継続的な重要性と、近年増加傾向にある「労働条件の引き下げ」という新たな課題への注意が必要であることが示されました。

より詳細なデータは、厚生労働省の公表資料をご確認ください。

(詳しくはこちらをご覧ください)
・「令和6年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します(厚生労働省ホームページ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00201.html