労務デューデリジェンス(労務DD)とは、具体的に何をするのですか?

企業の「人」に関するリスクを調査し、数値化・可視化することです。

財務DDが「お金」の流れをチェックするように、労務DDでは「人(雇用)」に関わる契約や実態を調査します。 具体的には、「潜在債務(簿外債務+偶発債務)」と呼ばれるリスクを洗い出します。

中小規模のM&Aや事業承継でも、労務DDは必要ですか?

はい、規模に関わらず実施を強くおすすめします。

中小企業では、長年の慣習で労働時間管理が曖昧だったり、社会保険の加入漏れがあったりするケースが少なくありません。 これらを見過ごしたままM&A(合併・買収)を行うと、買収後に多額の請求が発生したり、従業員の離職を招いたりする原因となります。

特に近年は、経営者の高齢化に伴う「第三者承継」が増えており、買い手側がリスク評価を厳格化する傾向にあります。

具体的にどのような項目をチェックするのですか?

主に「未払い賃金」「社会保険」「労働時間」「ハラスメント」などを調査します。

当事務所では、以下の項目を中心に詳細な調査を行います。

未払い賃金: 残業代の計算(1分単位か、固定残業代は適正かなど)。

・労働時間管理: 36協定の遵守状況、休憩・休日の取得状況。

・社会保険・労働保険: 加入義務のあるパートタイマーが未加入になっていないか。

・管理監督者: いわゆる「名ばかり管理職」として、残業代支払いを免れていないか。

ハラスメント・労使紛争: パワハラ防止措置の有無や、過去のトラブル歴

調査期間や費用はどのくらいかかりますか?

企業の規模や調査範囲によって異なります。

対象企業の従業員数や拠点数、調査の深さ(簡易診断か、詳細なフルスコープか)によって変動します。まずは秘密保持契約(NDA)を締結した上で、予備調査やヒアリングを行い、最適なお見積りを提示させていただきます。

浜松市内であれば、迅速な現地調査も可能です。

調査の結果、問題が見つかった場合はどうなりますか?

リスクの大きさを評価し、対策を考えていただきます。

問題(リスク)が見つかったからといって、直ちにM&Aが破談になるわけではありません。

検出された未払い賃金の総額(簿外債務額)を算出し、買収価格に反映させる(減額交渉)、あるいはクロージング(契約完了)までに是正してもらう等の対策が可能になります。

また、M&A成立後の給与計算アウトソーシングも承っております。正しいルールでの運用を定着させ、再発を防ぎます。
当事務所の給与計算サービスについて⇒

「PMI(統合プロセス)」のサポートもお願いできますか?

はい、可能です。M&Aは「成約」(クロージング)がゴールではありません。

買収後に、異なる企業文化や労働条件(給与体系、就業規則など)を一つに統合する作業をPMIと呼びます。ここがうまくいかないと、既存社員の不満や離職につながります。

当事務所では、労務DDの結果を踏まえ、スムーズな人事制度の統合や、新しい就業規則の策定まで一貫してサポートいたします。