会社が労災保険に入っていない場合、社員は労災保険の給付を受けられますか?

会社が労災保険の加入手続きを怠っていたとしても、被災した社員は労災保険の給付を受けることが可能です。しかし、会社側には極めて重い経済的ペナルティが科せられます。

1.社員への給付について

労働者を一人でも雇用している事業主は、法律により労災保険への加入が義務付けられています。会社が手続きを失念していた期間であっても、社員が業務災害や通勤災害に遭った場合は、国から労災給付が支給されます。

2.会社へのペナルティ(費用徴収制度)

未加入状態で労災事故が発生した場合、政府は会社に対して以下の徴収を行います。

  • 保険料の遡及徴収: 過去に遡って保険料を徴収されます。
  • 給付費用の徴収(費用徴収): 国が社員に支払った給付額の全部または一部を、会社から直接徴収する制度です。

費用徴収の割合

徴収される金額は、事業主の落ち度の程度によって異なります。

  • 100%徴収(故意): 行政機関から加入指導を受けたにもかかわらず、手続きを行わない間に事故が発生した場合。
  • 40%徴収(重大な過失): 適用事業所となってから1年を経過しても手続きをしていなかった間に事故が発生した場合。

3.費用徴収の対象範囲

この強力なペナルティには、一定の範囲が定められています。

  • 期間制限: 療養開始後3年間に支給される保険給付が対象となります。
  • 対象外の給付: 療養(補償)給付介護(補償)給付については、費用徴収の対象から除外されています。

実務上のアドバイス

労災保険未加入は、経営上の大きなリスクとなります。特に死亡事故や重い障害が残る事故が発生した場合、徴収額は数千万円にのぼることも珍しくありません。万が一未加入の状態であれば、直ちに所轄の労働基準監督署で手続きを行うことが、会社と社員双方を守る最善の策です。

注意

個々の事情によって判断が異なる場合があります。個人で判断する前に、行政機関または専門家にご相談してください。