労災保険を使うと、会社の保険料は上がりますか?
-
労災保険を使うと、会社の保険料は上がりますか?
-
いいえ、必ず全ての会社で保険料が上がるわけではありません 。会社の事業の種類や従業員の人数によっては、保険料が上がらない場合もあります 。
-
会社の労災保険料が上がる仕組みを教えてください。
-
労災保険料が上がったり下がったりする仕組みを「メリット制」と言います 。これは、事業主の負担の公平性を保ち、災害防止の努力を促進するために作られた制度です 。
-
「メリット制」の対象になる会社を教えてください。
-
メリット制の対象となる会社は、以下のいずれかに当てはまる場合です 。
・労働者(従業員)が100人以上いる会社
・労働者が20人以上100人未満で、かつ「災害度係数」が0.4以上の会社
-
従業員が少ない会社の場合、労災を使っても保険料は上がりませんか?
-
従業員が20人未満の会社は、メリット制の対象外です 。そのため、いくら労災を使っても労災保険料が引き上げられることはありません 。
-
従業員が20人以上100人未満の会社でも、保険料が上がらない場合はありますか?
-
はい、あります 。
業務に危険性が少ない事業を営む会社(「その他の各種事業」「保険業または不動産業」「通信業、放送業、新聞業または出版業」などの場合、従業員が99人でも災害度係数が0.4未満になるため、保険料が上がることはありません 。
また、「ビルメンテナンス業」(労災保険率が6/1000)の会社の場合は、従業員が74人までであれば災害度係数が0.4未満となり、保険料が上がることはありません 。
●メリット制の計算式
災害度係数の式:労働者の数×(労災保険率-非業務災害率※)<0.4
※非業務災害率は全業種一律0.6/1,000
・労災の事業の種類が「その他各種事業」(労災保険率が3/1,000の会社の場合)
99人×(3-0.6/1,000)=0.2376→災害度係数0.4以下のためメリット制度対象外になります。
・労災の事業の種類が「ビルメンテナンス業」(労災保険率が6/1,000の会社の場合)
74人×(6-0.6/1,000)=0.3996→災害度係数0.4以下のためメリット制度対象外になります。
-
通勤中に起こった災害(通勤災害)の場合でも、会社の保険料は上がりますか?
-
いいえ、通勤災害はメリット制の対象外です 。そのため、どんなに労働者が多い会社でも、通勤災害を申請したことによって会社の労災保険料が上がってしまうということはありません 。
(詳しくはこちらをご覧ください)
・労災保険のメリット制について(厚生労働省 PDF)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhokenpoint/dl/rousaimerit.pdf
注意
個々の事情によって判断が異なる場合があります。個人で判断する前に、行政機関または専門家にご相談してください。